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スコープサイトの中身 |
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スコープサイトの中身で尤も重要な部品は、なんと言ってもレンズでしょう。今回はそのレンズ構成と役割を書きたいと思います。
レンズの紹介を読んでいると「6群10枚」というような表記をよく目にします。皆さんが小学校ときには、望遠鏡は接眼レンズと対物レンズの二枚のレンズで出来ていると習ったはずです。では、この「群」とは何でしょうか?なぜ10枚ものレンズを使わなければならないのでしょうか。
じつは、このレンズ群とレンズ枚数によって精密な補正をすることでスコープサイトは遠距離のものを正確に我々の眼に写してくれているのです。そして、このレンズの組み合わせ設計とレンズ自体の精密さが、そのスコープの品質となるのです。
ではその補正とはどのようなものか紹介してゆきましょう。
スコープサイトのレンズは、遠くのものを拡大しつつ正しい方向で見る事ができるように組みあせてあります。虫眼鏡で遠くの物を見ると、像は大きくなりますが、逆さまになってしまいます、これを逆像と言います、それをレンズの組み合わせにより、正像と呼ばれる正しい方向にします。
また光を屈折させて目的を達成するというレンズの特性上、いかに高品質のレンズといえども、単体では像が歪んでしまう場合があります。これもレンズの組み合わせにより歪みの無い像に補正をします。
では、基本的なレンズ構成と用語をご紹介しましょう。
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対物レンズ: |
対象物からの光を受け、集める為のレンズです。大きい方がより沢山の光を集められます。 |
正立レンズ: |
逆像を正像にする為のレンズです。 |
接眼レンズ: |
対物レンズで集めた光を拡大し瞳に送るレンズです。 |
第一焦点: |
対物レンズ側の焦点で、逆像になります。(商品によってはこちらにレティクルが置かれます。
その場合レティクルの動きも通常と逆の動きになります) |
第二焦点: |
接眼レンズ側の焦点で、正像になります。(通常はこちらにレティクルが置かれます)
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アイリリーフ: |
接眼レンズから瞳までの距離です。発射の衝撃で銃がぶれたとき、瞳に当たらないようにとる距離です。 |
対物レンズによって集められた対象物の像は、第一焦点で逆像として結像し、正立レンズを通ることにより第二焦点で正像としてなります。逆像とは像が反転して見える事で、上下左右が逆に見えます。結像とは像が結ばれ見えるようになることを言い、その他の位置ではボケて見えます。
さらに接眼レンズを通り、結果拡大されて瞳に送られます。
このように、多数のレンズを組み合わせることにより、像を拡大しながら正しい方向に見えるよう構成されています。
上記は、基本的なスコープサイトのレンズ構成ですが、これだけでも10枚のレンズが使用されています。上記のレンズ構成を「6群10枚」と呼びます。
「群」とはレンズが組み合わされている部分です、何ヶ所かレンズをぴったり合わせあるような所がありますがこれを指します。先に書いた単体では像が歪んでしまうことを、レンズを組み合わせることにより補正します。 |
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左のレンズが仮に像を拡大するものとすると、右のレンズで像の歪みを補正しています。
どんなに高品質なレンズでも光を100パーセント活用できるものではありませんので、レンズの構成はなるべくシンプルにしたいのですが、補正は必要。そのバランスをいかにするかが設計時のノウハウなのです。
さらに細かい構造を書いた物をご紹介しましょう。 |
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これは、ハッコーさんからいただいた、スコープの断面図です、薄い水色がレンズを表わしています。上が上面から見下げた断面図で、下が横から見た図です。左が対物側となっています。
この図は6郡11枚構成となっています。7郡にも見えますが左から3郡目に見える物はレティクルセットで、光を屈折させるレンズではないので数えません。通常レティクルは薄い金属を切り抜いた板ですが、ハッコーのものは変型や断線を防ぐ為それをガラス板に挟んであります。レティクルは第一焦点に置かれるものと第二焦点に置かれる物があります。
図の名称として「1st Focal Plane Illuminated Reticie Scope With Side Focus System」とありました。第一焦点にレティクルがあって、イルミネーションモデルで、サイドフォーカス仕様という内容です。ズームも搭載しています。
他にも様々な機能が書かれていますので、そちらについてもいずれ解説していきたいと思います。
中を通して見ているのですが、見えないレンズ。不思議なものです。 |
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